インタビュー『この人と60分』

石井化薬/嶋村康廣社長

 防虫剤や安眠まくらを展開している大阪の石井化薬・嶋村康廣社長に最近の状況を聞いた。

 −−7月の決算業績と直近の状況を教えて下さい。
 「前期は価格の安い中国製品に振り回されてマイナスになったこともあるが、今期は本業の売り上げでも営業利益でもプラスになっている」
 

 −−最近の防虫剤業界の問題点は何ですか。
 「防虫剤市場は今、いくつかの意味で過渡期に来ている。一つは原料価格の面、もう一つは今言った海外商品対策の面だ」


 −−まず原料価格の面をお聞かせ下さい。
 「防虫剤の原料にはパラジクロールとピレスロイドが使われている。一般的にパラジクロールは原料が安価、ピレスロイドは無臭であることが特長だ」


 −−御社の商品の原料はパラジクロールですね。
 「それが2002年の春、日本におけるパラジクロールの原料メーカーが呉羽化学工業1社になった。他のメーカーがなくなってしまったのだ」


 −−それによってどんな影響がありますか。
 「それ以来、パラジクロールの価格は2回に分けて値上がりし、以前から比べると約25%増しになっている。また、日本市場の価格の推移を見て輸入品も上がってきている」


 −−原料が上がれば売価に影響しませんか。
 「原則的には店頭売価を引き上げるのが一般的な対策だが、値上がり分を店頭価格に反映させるとピレスロイド使用製品との差別化が図れなくなる恐れがある。防虫剤の使用には生活習慣の部分もあるので一概には言えないが『同じ値段なら無臭(ピレスロイド製品)の方がいい』ということになりかねない」


 −−中国製品の影響と将来性についてどうお考えですか。
 「製品は日本で通用する品質に達しているとは言えない。ただ、今の中国の40代の経営者は、やる気もありワールドワイドな視点でものを見ている。モラルやシステムが経営者レベルから現場レベルに降りてくるまで10年くらいかかると思う」

 −−今後の課題をお聞かせ下さい。 
 「まず、日本で通用する商品として2種類の品質を用意する。次に、外資系流通の動きを注視したい」
 

 −−どういうことでしょうか。
 「ウオルマートなど外資系の流通の中には、日本製の高品質商品の他に、不良品であれば交換することを前提としたような『中レベルの商品』を取り扱う動きがある。もしそういうことになり、かつ消費者がそれでもいいということになると、メーカーとしてそれに対応していく必要が出てくる」

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