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−−昨年は厳しい中、御社は好業績を上げましたが。 三木田社長 おかげさまで予定通り進んでいる。ただ情勢は刻々と変わっている中、立場的にすぐに取引先とおつきあいをやめるということもできないので、責任もありそれなりのリスクを負っている。小売の支援などまだまだ課題はあるが、パルタックとしてのおおまかな投資は今期くらいで終わる。 −−9月末時点での業態別の構成比を教えて下さい。 三木田社長 ドラッグストアが38%、コンビニエンスストアが15%、GMSが10%、ホームセンターが12%、化粧品専門店は0.6%強。 −−今年は小川屋、加納商事と合併しましたが、今後もそういう方向で進めていくのですか。 三木田社長 こちらから積極的に進めるということはないだろう。すでに主だった卸店は方向性が決まっているのではないだろうか。 −−以前、人材の教育を進めていきたいと聞きましたが、その後いかがですか。 三木田社長 いくら素晴らしい設備やセンターができ、コンピューター環境が整っても使うのは人だ。まだ計画段階で実行に移しているわけではないが、落ち着いたら企業に人を派遣する方法などで進めていきたい。最近の合併につぐ合併で少し先送りになっているのは確かだ。 −−5年前に買収した神奈川の3社の業績は。 三木田社長 ほぼ計画通りとなっている。RDCなどにより利益だけでなく商品の回転率が上がったとしても、パルタックとしての売り上げや利益、機構が根づくのに3年はかかるものだ。 −−中期経営計画がスタートしましたが進捗状況をお聞かせ下さい。 三木田社長 RDCの集約化については、今年から来年にかけて順次整理していく計画。仙台のセンター(宮城県・岩沼市)については改造費を3億円近くかけてRDCに近いものを作った。 −−他に目指していくことはありますか。 三木田社長 中期計画は初めてのことなので、毎期、毎期、見直しながらになるだろう。設備については毎年やっていることだが、中期、長期で将来どうするべきかということになると、実際非常に予測しづらい。ジャスダック市場も企業が増えている中で、今は株価も安定しており、基本的には安全性を重視したいと考えている。当社はオーナー会社でもなく、借り入れの問題ひとつとっても身の丈経営を基本にしている。目標としてはこの先、東証一部上場を視野に入れていけるような企業になりたいと考えている。いずれにしても、少子高齢化の進む中、「売るだけ」でこの先残っていけるのかという危機意識は持っている。 ◆これからは「静脈物流」も −−「残っていく」ための方策をお聞かせ下さい。 三木田社長 小売業とメーカーの繁栄なくして中間流通の繁栄はないと考えている。そのために、いわゆる「流通サービス業」として、メーカー、小売りの領域をカバーしていく。だんだん、卸業務の中核から、製造や販売の方に視野を広げていく時代になってきた。そこにはそれぞれ垣根があって足を引っ張り合っていたが、みんな一緒に研究しようということになれば、何が無駄だったのかがわかってくる。 −−具体的にどういった広げ方ですか。 三木田社長 前処理はできるだけパルタックでやって、破材の持ち帰りなどの後処理も当社で行う。小売業には売る方に徹してもらいたい。そのために物流が大変ならサポートし、ノウハウを提案する。破材については個別の店舗では処理にコストがかかるので苦労している。東京のRDCは今のところ社内だけだが、岐阜では社外のものも処理している。我々はこれまで「動脈物流」ばかり考えてきたが、これからは「静脈物流」についても考えなければいけない。返品はもとより、店内で出る廃棄物など、全体で「ゼロエミッション」(排出ゼロ)の達成を目指さなければならない。 −−そういった構想はお聞きしていましたが、いよいよという感じですね。 三木田社長 競争が激しくなる中、物流の基点は売り場。その売り場が、今は単に商品を持ってきて欲しい、というニーズから、どうしたらいいのか知りたい、というニーズに変わってきている。コストダウンを図るのに、売り場の設計を間違えるとどれだけ頑張ってもコストが下がらない。一緒になって解決していく方が早いことを、小売業でもわかってきている。このことを投げかけられた時に、こちらに応えられるものがないといけない。 −−これまでも「売り場提案」はありましたが。 三木田社長 自社の取扱商品を背景にやっているだけだった。本当に現場で困っていることは消費者がこの売り場で満足しているのかということで、これを科学的、客観的に分析しなければいけない。外注すればコストがかかることを当社でやっていく。本部担当営業社員の全員がそういうスキルを持って対応するのが理想だが、5年前に発表したソリューションをもとに、リテールソリューション本部という専門集団を新設した。加納専務を本部長に、営業、物流、情報、財務を境界を取り払って構成し会社トータルで支援していく。 −−対象となる取引先は。 三木田社長 全取引先を対象にしたものではなく、これからの流通に対して同じ志を持ったこれから当社と組んでいこうという、特定の小売業と協力していく。既に情報システムを現場からさかのぼって一緒にやりましょうという小売業が出てきている。システム、カテゴリーマネジメントを含めて、その店の展開に合ったサポートをしていきたい。 ◆業務をデジタルプロセス化 −−メーカーの反応はいかがですか。 三木田社長 これにはメーカーからも期待の声が上がっている。メーカーはメーカーで自分ところの生産をいかに無駄なくするかを考えてきた。もちろん、中間流通は中間流通で、小売りは小売りでやってきたが、それは各々がやってきただけだ。つなぎがうまくいっているかというとそうではない。物の移動も情報の移動も同じだ。1つの小売店にたくさんの卸店が来て、30分、1時間と商談した結果、紙1枚に3行くらいの情報だったりする。これがインターネットだと瞬時にほとんどタダ同然で入手できる。 −−例えばどういうことができるのですか。 三木田社長 当社では既に、本社で受けた情報をイントラネットで情報発信する「プリンス」と言っている営業情報系のシステムを使っているが、それだといちいち紙を使わないで報告できる。また将来、発注という作業が劇的に変化するのではないか。POSデータがパルタックで把握できれば、自動供給できると同時に、我々の倉庫から出たというが瞬時に(生産段階)に行き、一番いいタイミングと単位でこちらに出荷できる。また、画像、映像でどんな製品ができたかがすぐわかり、それを取り扱うかどうか瞬時にインタラクティブ(双方向的)に決められる。 −−店によって特長があるのでその方がいいですね。 三木田社長 業務のデジタルプロセス化は技術的にはもう可能だが、これについては我々だけで解決できるものではない。そういうものを含めてソリューションという形で役に立てるものを蓄積しようということだ。帳合いや売り上げだけでのおつきあいではない時代だ。今期はこういったことを煮詰めて、来期に実現させていきたい。 −−返品についても協力していくわけですね。 三木田社長 返品については真摯に受け止めている。もちろんなくすのが目的だが、今の時代には、作る方にも責任があるのではないか。新製品を、安易に宣伝を入れることで置かざるを得なくなった時、買い取れと言われてもリスクが大きくて買い取れない。そういう商品力のないものが返品された時、メーカー、卸店、小売店がいかに合理的に処理していくかが課題だ。例えば、アメリカでは商品のライフサイクルが短くなり、新製品、季節品が多くなっており、日本ほどではないが問題化している。ウォルマートには返品センターがあり、これまでは各店舗で物流センターに返していたが、返せないような製品もあるので、自分たちで処理している。ウォルマートの規模になるには莫大な投資が必要だ。また、アメリカにはリバースカンパニー(返品処理専門会社)というのがあり、各店舗から来た商品を仕分けして再生するために解体したり、廃棄したり、寄付したりしている。 −−合理的な処理とはどういうことでしょう。 三木田社長 返品時には、各段階で重複作業が起こってくるが、当社では各センターで、ソーターシステムを使って正確に把握しており、商品を確定させれば、再度メーカーが確認する必要がないようになっている。メーカーには「小売店1店1店を確認するよりも我々の方が確実ですから一度システムを見て下さい」と言っている。 −−今年はどんな年になると思いますか。 三木田社長 まず消費税の総額表示問題が消費者にどういう影響を与えるのかだが、表示価格が上がってプラス要因になるとは思えない。また、欲しい物がない限り消費が上向くことはない。やはり価値創造型の商品ができない限り、単価は毎年下がる一方だろう。いずれにしてもプラスの見通しは立てにくいだけでなく、2007年から人口が減少するわけだから、我々中間流通としては物を売ること以外にサービスに視点をおいたことにも力を入れて行かざるを得ない。 |