インタビュー『この人と60分』

あらた/伊藤昌弘社長

 −−4月にあらたとして正式にスタートしてから、ここまでの率直な感想は。
 「正直言って緊張した。4社が融和して一つになることを当面の課題としており、現在もそれを進めている。基本的には各社のやり方も異なり、2年間の持株会社時代があったことで救われている面もあるが、ある意味では難しい部分も少なくない」

−−まさに大型合併だっただけに、各所の摺り合わせも大変だったと思います。 
 「これまで4社がしてきたことを互いに認め合って、その上で『あらたらしさ』を創造していかねばならない、これを常に強調している。その実現、融和が初年度の最大の経営目標と言える。ただし、このスピード化の時代において、来年度以降も融和ということばかりを追っていくわけにはいかない」

 
−−『あらたらしさ』とはどういったことでしょう。
 「一つは倫理観。個人の生活に言及するつもりはないが、仕事をしていく上で社内、社外での行為、言動、考え方について、正当な倫理観に基づいたものを求めたい。これは社是・社訓にも記しており、永遠の課題とも言える」

 −−企業として求められるポイントとして大きな部分ではあります。
 「端的に言って、人に言えない仕事をするなということ。不当な手法によって売り上げが伸びたとか、他の帳合いをとるというような、会社に戻って自慢もできないような仕事をしてはいけない。堂々と上司に報告できるような、会社として誇れるような仕事をしていかねばならない。透明性、コンプライアンスを重視したい」

 −−大会長に続いて、全国の拠点を廻っていると聞きますが。
 「大会長の場合は、長いレンジで見た場合に企業としてどうあるべきかを説いてきた。私は短期的に、例えば今年1年、どう事業を進めていくかを説明して歩き、より具体的、現実的な点について話している」

 −−4月からここまでの業績はどうでしょう。
 「4月、5月は前年割れで推移した。6月に入って回復したものの、トータルでは前年並みというところだ。いくつか原因は考えられるが、具体的な部分について現在、分析を進めている。また、得意先の中でも企業間、地域間格差が大きくなっている」

 −−8月より木曾清が完全子会社となりますが。
 「年商135億円、ほぼ100%家庭用品に特化している卸で、あらたにとっても、当面は西日本中心に家庭用品分野の強化が助長されていくと期待している。その成功例をもって関東以北にも広げていきたい。すでに得意先では、木曾清のセンターを見学するなど、関東からの引き合いも出てきている。こうした種を一つずつ大切にしながら、事業として柱の一つに育てていきたい」

 −−各カテゴリー別の展開についてはどう考えていますか。
 「装粧品のファッションあらたは、商品の回転、物流から考えても別会社での展開が望ましい。家庭用品はまだ結論が出ていないが、延長線上に消耗荒物があり、トイレタリーと接点が大きいこともあり、どちらがローコストかを考えて決めていきたい。家庭紙は従来どおり進めていくが、物流については考えて行かねばならない。ペット関連は別会社での展開となろう。商品の賞味期限の問題があり、トイレタリーなどと一緒にやるわけにはいかない。いずれの場合も、どうすればローコストになるかが基本的なポイントとなる。営業はともかく、総務や人事、システム関連、物流も含めて、一緒に行うことでコストを引き下げるのが理想と言える」

 −−玩具や文具も一部取り扱っていますが。
 「トイレタリー、化粧品、家庭紙、家庭用品、ペット関連品について地固めをしていくことが優先となる」

 −−一括物流も増えてきているようですね。
 「当社が良いか、他社にするか、あるいは運送会社などサードパーティにするか、選択権は得意先にある」

 −−仲間取引については、どう展開していきますか。
 「地区によってばらつきはあるが、従来から旧会社を通じて取引のある部分はしっかり継続していく」

 −−今後の施策などについてお聞きします。
 「現在、8つの各支社から予算を出してもらい、集計した結果が今期売り上げ目標の4440億円。前期比5%程度の成長を見込んでいるが、ここまでは厳しい状況にある。目標に対してのマイナスを今後どうカバーしていくかが大きな課題となる。嶋脇営業本部長を中心に支店長会議などでも現状分析、今後の対策を協議している。当社の実績はメーカーの数字にも反映されるわけで、今後の販売促進企画にも呼応して、何とか立て直していきたい」

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