インタビュー『この人と60分』

太陽商事/平木正人社長

 −−今年前半を振り返って、業績はいかがですか。
 「太陽商事とアオキコーポレーションの合併があったため必然的に増収増益で推移しているが、当初の目標に対する達成率は90〜95%で推移している。得意先にドラッグストア業態が少ないことが要因だと考えている。与信管理の観点から月末締め月末払いの得意先と取り引きしており、そうした条件を受け入れる企業が少ないドラッグストアのウエートが小さい反面、業界全体ではこの業態の構成比が高まっていることが影響している」
 「実際、ドラッグストアのウエートが高い卸店は業績を伸ばしているが、当社の場合は15%前後に過ぎず、スーパーやGMSが厳しい環境にある中では、相対的に伸びを欠く結果に結びついている」

−−04年5月にアオキコーポレーションと合併して1年を経過しました。ここまでの感想は。
 「太陽商事に比べて化粧品に強いことがメリットだと考えて一緒になったが、実際にこの部門の強化につながった。取扱商品や提案の幅が広がったと同時に、得意先の重複もほとんどなかったため、その意味でもプラスであったことは間違いない」
 「化粧品は日用品に比べて粗利が高いが、同時に販管費も高い。これをどうコントロールしていくかが課題となっている。従業員については、両社間に多少の企業文化の違いがあったものの、1年間でお互いにほぼ融和することができており、現時点で特に問題はない。反面、情報システムや物流面での統合に時間を要している。システム面ではアオキコーポレーションのものを太陽商事が使用するという形で進めており、間もなくプログラミングが完了する予定だ」

 
−−独自商品の取り扱いも増えてきているのでしょうか。
 「いくつかパターンがあるが、ひとつは他の卸店が開発した商材を取り扱うケースがある。また、小さなメーカーが数多くあり、当社から声をかけて商材取り扱うという活動を常に行っており、今年度もいくつかのメーカーを開拓している。カテゴリーとしては化粧品が多い。さらに、当社が企画・開発したプライベートブランド(PB)商品を、他の卸店に売ってもらっているというケースもある」

 
−−商品に限らず、独自の活動を積極的に推進している卸店ほど業績を伸ばしているようです。
 「経営者として5年足らずのキャリアしかないが、企業は規模の大小を問わず、どんどん社内ベンチャーをやっていかないと生き残りが難しいと実感している」
 「しかも、製造業、卸売業、小売業という垣根が低くなりつつあることも感じている。例えばユニクロなどは、製造業として工場を持ち、商品企画も行い、中間流通機能もあり、小売店舗もある。ウォルマートも、小売業者であると同時に中間物流業者でもある。日本の小売業でもPB商品の比率が高まっており、少なくとも商品企画の機能は持っている。そうした中でメーカー、問屋、小売店と区分して考えることに意味があるかどうか疑問だ」

 −−製配販の区別はなくなってしまうと。
 「製造業者にしてもOEM受託メーカー、企画だけ行うメーカーなどがあり、機能や言葉の上では区分されてきても、誰が何を行うかは自由になりつつあり、従来の製配販の概念は崩れつつあると思う」

 −−そうした中で今後、御社の方向性は。
 「卸売業全般を考えれば、システムや物流を強くするには規模の大きさを追求する以外にない。業種卸から業態卸へと言われるように、取り扱いカテゴリーや品目も拡大し、最終的には食品も含めたフード&ノンフードを手掛ける中間流通という流れが出てくるだろう」
 「そうして全国一括でシステムや物流を動かそうとすれば、在庫をできるだけ抑えていくなど一つの基準が出てくる。そうすると扱えない商品が出てきたり、小さなメーカーとの取引がしにくくなるわけで、我々はそうした商品を扱い、メーカーと取り組んでいくことが生き残りのカギだと考えている。今後も、小規模でも様々な業態の小売店が出現し、メーカーも同様だろう。そうした企業と組んで展開することが必要だ」

 
−−独自な展開の重要性は各方面で言われています。
 「世界中が全て寡占化するわけではなく、大手企業だけで完結するわけでもない。小さくてもユニークな企業はどんどん出てくるはずで、その中で成長する企業もあれば、消えてしまう企業もある。そうした企業と取り組むのが我々の仕事だと考えている」

 −−そうした企業のうち、どこと取り組むかを見極める能力が必要ですね。
 「それが元々の卸売業の機能だと思う。江戸時代には、地場の小さなメーカーや小売店ばかりで、間を取り持っていたのが問屋という存在。いい物を探して仕入れてきて、それを提案していくこと。原始的かもしれないが、そうした機能を追求していきたい」
 「ただし、売れるなら何でもいいというわけではなく、化粧品や日用品に絞り込んで特化していくことで、企業として強くなると考えている。いろんな商品を探し出すためには、目が利くということが重要。すなわち、あるカテゴリーについて専門性が求められるわけで、『この商品については誰より知っている』という人をどれだけ揃え、商品を探せるかがカギを握るのではないか」

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