インタビュー『この人と60分』

秀光舎/畑中伸介社長

 −−このほど3社による合併を発表し、近畿発の大型卸誕生となるわけですが、その背景などをお聞かせ下さい。
 
畑中社長 まず「近畿発」という点に我々はこだわった。秀光舎と伊藤安が04年4月に合併することを1年半ほど前に決断し、それは必要なことではあったが、まだ充分ではないと感じていた。そうしたところへシンユウ物産が加わることになり、当初考えていた機能、規模の面で十二分な力を発揮できる卸店になると思う。

 −−業界内外の期待は非常に大きいようです。当面の目標はどういったところに置いていますか。
 
畑中社長 シンユウ物産の加入に際しては比較的急だったため、これから計画を練り直したいというのが本音だ。現在、幹部会と各セクションの分科会を設置して準備を進めており、現段階ではお互いの認識を深めることに時間を費やしている。04年4月にはスムーズなスタートを切ることが重要。今年10月には、合併について挨拶する会を開催する。それまでには、いろんな構想を説明できるようにしておきたい。

 −−3社の売上合計は500億円を超えると見られますが。
 
畑中社長 現状では520億円だが、1+1が2以上になるよう、これから努力していく必要がある。ただ、そうした売上高や利益のみならず、3社合わせて従業員が300名ほどになるわけで、その300名の力が発揮できるよう内部的な充実を図ることが大事だろう。

 −−人材は企業経営にとって非常に重要なポイントですね。
 
畑中社長 その人が従来よりも輝きを増すように、適材適所の人事を行うことが合併を成功させる最大の要因だと思っている。人的資源の分析をしっかり行い、一人一人が今以上に高い視線で仕事ができるよう取り組んでいきたい。

 −−経済環境は非常に厳しいものがありますが。
 
畑中社長 価格の下落傾向は続くと見ているが、それはそれで与えられた環境として受け入れるべきだろう。価格下落については、価格交渉力の強化とコストダウンを従来以上に進めなくてはならない。また、企業の付加価値を高めるという意味で、品揃えやサービス面で差別化できるようにして収益力を高めていくことも重要だ。

 −−合併後の商圏については、非常にうまく構成されているように思われます。これを今後、どのように展開していかれますか。また、新たな企業が加わる可能性は。
 
畑中社長 これからの卸売業の在り方について、我々なりの考え方は明らかにしていこうと思う。これに対して賛同する企業が表れる可能性はある。企業として、あくまで発展的に考え、同志が存在すれば受け入れていく。ただし、売上高を1000億円にといった、最初に規模ありきということではなく、志や考え方が共通していることが大前提となる。

 −−まだまだ成長が見込めますね。
 
畑中社長 3社というのは最小単位であり、これがスタートライン。市場から求められている機能を発揮するために、500億円程度は最低限の規模であろう。拡大・発展的に企業を成長させるのは使命だと考えている。卸売業は市場やメーカーのニーズの中で活かされていくものであり、これにマッチするように展開することは不可欠。それが最終的に全国区でなくてはならないということになれば、そうしていかねばならないし、近畿でも不十分というのであれば、この地域でシェアを高めていかねばならないだろう。現在の3社による合併が完成形ではない。

 
−−ところで、現時点での業績はいかがですか。
 
畑中社長 合併のために決算期を9月から3月に変更した。この3月は半年間のみの決算となったが、同期間だけで比較すれば増収増益となった。売上高は113億8000万円で2%ほど伸長し、経常利益は2億5800万円(前同期2億3000万円)となった。伊藤安も増収増益で、シンユウ物産も好決算を出している。

 
−−合併によって、商圏はもとより商品構成面でも充実しそうですね。
 
畑中社長 一般的に合併はリストラ目的や企業再建のために行われるということもあるが、我々の場合は将来へ向けて行うという明るいイメージを大切にしたい。エリア拡大も品揃え充実もプラス要因であり、人材活性化でもプラスに作用すると考えている。

 
−−外資系小売業の日本市場進出が相次ぎましたが、中間流通を担う卸売業に与える影響についてどう考えますか。
 
畑中社長 日本の卸売業の機能は、日本の流通において不可欠であるということを証明できるように努力したい。一時は直接取引の圧力が強まるだろうが、それに対して我々はプレゼンテーションによって機能を認めてもらえるようにならねばならない。あくまで機能ベースで、卸を通過すれば効率的、効果的だということを証明する必要がある。直接取引が増えても、そこから巻き返すパワーを持ちたい。

 −−あらた、パルタックといった大型卸との共存についてはどうでしょう。
 
畑中社長 まず差別化すべきは、販売店の規模を問わずキメ細かさを追求すること。両社ともに規模だけでなく機能的にも優れた卸であると思うし、機能補完ということは考えていない。現時点では、近畿地区に展開する小売店、流通するメーカーにとって、我々を利用することで有利性を感じてもらえるような卸店でありたい。

 −−今後の抱負を。
 
畑中社長 もともと「未来志向」ということでスタートしており、合併についても単に売上高を合わせるというのではなく、個々の企業の持つ人材を活性化する舞台という位置づけになる。社員にとっては舞台が大きくなり、能力を発揮する場所がランクアップすることになる。

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