インタビュー『この人と60分』

サプリコ/秋葉吉秋社長

 −−サプリコの設立から1年以上を経過しましたが、卸売業界の環境は大きく変化しました。
 「平成元年に1540社あった業界の卸店は、昨年秋の時点で611社となった。今年中には500社程度になると思われる。サプリコのメンバー社は、数の上では全体の1割を占めることになる」

 −−各方面に対する発言力、影響力も強まると見られています。
 「売上高は約600億円で、2.5兆円と言われる全体の市場からすれば40分の1程度にすぎない。しかし、配荷という点ではメーカーにも魅力を感じてもらえるのではないか。花王製品を扱っている小売店が約21万件で、うち花王自身が届けているのは8万件。残り13万件のうち3万件をサプリコのメンバー社が配荷している。このチャネルを活用してもらえば、メーカーにとっても有利なものとなろう。我々は優良な配荷チャネルと呼んでいるが、大手卸店が大手小売店と取り引きする以外の、エネルギーを要する部分をサプリコが受け持っている」

 
−−先に日産自動車との取引が話題を集めています。
 「関連する3550カ所の工場、営業所など各拠点の合計で、我々が扱う商材の消費額が月間1億円程度と見込んでいる。年間12億円の取引となれば大手にも魅力的なビジネスながら、1カ所当たり3万円程度の取引では難しい。この程度の取引を行っている中小卸店は数多いが、それを全国ネットでできるのはサプリコ以外にない。これまで獲得できなかった全国規模の取引も、サプリコという形態によって可能になった。その市場は膨大なものがある。日産自動車の次に、やはり誰もが知っている大手企業との商談が進んでいる。これが我々の言う職域需要である」

 −−誰もが目をつけなかった、新たなビジネスモデルとして注目されそうですね。
 「納入価格としては、アスクルなど通販より安く、一般的な卸価格より高い。それでいて自前で配送できる。取り扱い品目にしても、通販会社のカタログに1万アイテム掲載されているとしても、カテゴリーに置ける幅の広さと奥深さは我々の方がはるかに上だ」 

 −−まさに卸の強みが生かされそうです。
 「いまはFAX受注だが、今後はウェブなどデジタル発注にも対応できるようにしていく。細かい部分は検討中ながら、来春をめどにインフラを確立したい」

 
−−サプリコを構成するメンバー社も着実に増加しています。参加への希望も少なくないようですが。
 「当面、65〜70社ほどを目指したい。さらに、隣接する分野も含めて100社程度に拡大したいという構想もある。これは、職域需要に対して販売していくと、トイレタリーだけではカバーしきれない部分も出てくるため。もう少し守備範囲を広げる必要はあるが、ただし実現性という意味ではやや難しい部分もある。それでも、商品調達はもとより、情報やノウハウが薄い部分について、我々が少しずつ身につけていくより、既存の力を活用した方が早いことは確かだ」

 
−−隣接業界はともかく、しばらくは拡大基調が続きそうですね。
 「販売面でのメリットに加え、保険の共同加入や車輌の購入、IP電話によるメンバー社間の無料通話など、経費の部分でも規模に応じたメリットが出てくると思う」

 
−−サプリコによる独自商品の開発も進んでいるようですが。
 「当初、50カテゴリーの予定で始め、現在まで20カテゴリーまで開発できている。来年の12月までには全ての開発を完了したい。それぞれの卸店が能力に応じた無理のない販売を手がけていけば、各社の経営に貢献する。今年秋には白元が製造元としてカイロを1000万枚を発注、『良品スタジオ』ブランドで発売する。これが本格的な全国配荷の第一弾となることから、我々としても期待している」

 
−−サプリコとして現在、未開拓のエリアは。
 「南九州、紀伊半島、北海道が抜けているが、これは今後も考えていきたい」

 
−−このほど増資して株式会社へと改組しましたが。
 「6月の社員総会で承認されたが、同時に発足1周年、メンバー社50社突破ということを合わせて、秋に報告会の開催を予定している」

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