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ミネアポリスでは、4000店を超える取引先を持つ全米ナンバーワンホールセラーのスーパーバリューを訪問した。店舗視察編で紹介したように、独自チェーンを展開する他、コワロスキー、バヤリース、カブフーズなどへのリテールサポートも行っている。創業した1870年から1990年までは卸売業としての性格が色濃かったが、15年ほど前から小売り部門に注力。ホールセラー中心だった同社が、生き残りをかけてリテールサポートカンパニーへと変革した。
スーパーバリュー(ミネアポリス市・シャンハッセン)
◆小売りに注力しトップ独走
全米第2位だったホールセラー、フレミングが倒産に追い込まれたにもかかわらず、2004年度の売上高は小売部門を含めると200億ドルと、2位以下10位までの合計利益をしのいでいる。売上高の構成比率は小売業の方が若干高く、食品小売業としても全米で第9位。1990年には7カ所の地区本部で全米23カ所の流通センターを運営していたが、今年は、北西部、中・南部、ニューイングランドの3カ所に地区本部の統合化を進めている。
「顧客が成長すれば自分の企業も成長する」を信条に掲げ、小売業支援プログラムの強化により取引先の競合力を高めるという成長戦略が特長。以前から展開していたカブフーズに加え、セイブアロット1000店舗以上など全1500店をボランタリー卸として運営している。これらの自社独自チェーンにおいて、店舗クラスター分類によるバーチャルチェーンを形成。メーカーとのコラボレーションによるカテゴリーマネジメントの現実的推進手法を駆使した独自のマーチャンダイジングを企画・提案し、その成功例により実証されたプログラムをコワロスキーのようなローカルチェーンに還元している。
◆「アイルマネジメント」を実践
同社の最大の特長は、基本的に売買手数料を取らないこと。メーカーからの仕入れ値そのまま卸す代わりに、ありとあらゆる有料サポートを行うことで小売店を繁栄させていく。サポートプラグラムは例えば、日本でもやっているグロサリー供給、店舗開発の代行、教育機関の充実などで、従業員とメンバー店向けの教育機関「スーパーバリューユニバーシティ」も運営している。リテールカウンセリングだけは唯一、無料で行っている。
1995年、米国食品業界がECR戦略を推進した時に、独自の新たなビジョン「アドバンテージフロムスーパーバリュー」を打ち出した。この頃からサプライチェーンマネジメントによる流通センターの再構築やABC(アクティブベイストコスティング)導入によるメニュープライシングシステム、インターネットによる情報ネットワーク・バリューネット、バーチャルチェーン化によるカテゴリーマネジメント、支援ツール「SVハーバー」の導入と、次々と革新的なサービスやシステムを打ち出している。
また、カテゴリーマネジメントを進化させた「ストアアイルマネジメント」による店舗の活性化に取り組んでいる。アイル(通路)ごとに最適な商品の組み合わせを考える手法である。
◆支援ツールで効率的な取り引き
2003年、競争力強化プログラムとして、サプライチェーンマネジメントを行うための基幹システム「SVハーバー」を開発。カテゴリーマネジメントの効果的推進のために立ち上げたビジネスポータルサイトで、取引先メーカーや小売業がスーパーバリュー社を介し、同じプラットフォームで標準化されたフォーマットを使って情報のやり取りができるというシステムである。現在取引先メーカーの57%にあたる1140社が「SVハーバー」を介して取り引きしており、金額ベースでの参加者比率は9割近くになる。
情報の流れを説明すると、まずメーカーがスーパーバリューに商品を売り込み、同社が承認すると「SVハーバー」の商品リストに掲載される。小売業がリストを見て購入する商品を決定し発注する。発注情報が同社を通じメーカーに届く。メーカーはこの結果を見て、未発注の小売業に対して効率的にプロモーションをかけることができるという仕組みである。
一方小売業は、メーカーが示すリベート情報やスーパーバリューが企画するイベント、プロモーションなどをデジタル情報で入手できる。他にもカテゴリーマネジメントを始め、業界ニュース、ホームストア、小売店ごとの商圏分析や店頭リセットなど幅広い情報が入手できる。
◆数多くのメリット生かし
「SVハーバー」は、情報の流れが速く、安全、効率的で24時間アクセス可能。また標準化されたフォーマットを使うため、入力作業が省け、同じ情報を複数の部署で共有できるという利点もある。小売業にとっては「販売チャンスを正確にとらえることができる」、「メーカーやスーパーバリューから提供されるさまざまな情報をいつでも入手できる」、「発注や在庫情報、出荷情報をリアルタイムに送受信できる」、「新製品情報や廃番情報も得られる」など、従来以上に営業に注力できる多数のメリットがある。
同社は現在、2300強の店舗と取り引きしているが、すべての店舗を訪問することは不可能。しかし「SVハーバー」によって、これまでフォローできなかった遠くの店と、24時間いつでもコミュニケーションが図れるようになった。
これまでの販促活動として、シリアルやスープメーカーの販促キャンペーン、全米にオンエアされるカーレースイベントの告知などを行った結果、メーカーへの発注が増加し、小売業、メーカーともども売り上げを伸ばした。また、ペットフードや飲料など、取引メーカーのウェブサイトにリンクを張っているが、小売業からは「これまで以上にマーチャンダイジングがしやすくなった」と好評を得ているという。
◆今年からは「eパス」
「SVハーバー」は2004年度、9項目を展開したが、今年度に入り新しいアプリケーションを開始。これが取引先のアカウントや先引き情報の提供を行う「eパス」である。「エレクトロニックパートナーアカウティングセルフサービス」の略で、請求額と支払額がインターネット上で検索できるため、ペーパーを使用していた時のような金額の不一致がなくなった。取引先からの電話による問い合わせが40%も減ったという。
他の卸売業や小売業も様々なかたちでインターネットを活用しているが、その中でも「SVハーバー」のレベルは高く、インターネットを使った取引先とのビジネスポータルの分野ではリーダー格。将来、同社と取り引きする場合「SVハーバー」を通してのビジネスが前提になってくると言っても過言ではない。
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