マッケンサンスカウンティーマーケット(ミネアポリス市・ワコニア)
◆自然派で地域に密着
ミドルアッパー向けのスーパーマーケットで、高品質の肉屋の伝統を維持しつつ、ローカルファームとのパートナーシップにより生鮮食料品を強化。オーガニック野菜にも力を入れており、地域密着型の店舗として支持を得ている。この日は、グロサリーマネージャーのジェリー・ダース氏を訪ねた。
低価格を追求している店ではないのだが、店内の至るところに「Low County Market PRICES Compare the bottmline」や「EVERYDAY BOTTOM LINE PRICE」と、ぎりぎりまで価格を下げた印象を与える文字が躍る。
◆独自の陳列に感心
花屋、銀行といった店舗の他、グリーティングカードがかなりの品揃え。あとでわかるのだが、米国ではどの店でもグリーティングカード売り場が充実している。レジスターではセルフチェックアウトも導入。驚いたのは、コンビニエンス・ケアという医療カウンセリングのコーナーで、ここには、提携している医者が時間を決めて出張し、体調の相談に乗る。休診の日は、案内板でその医者のいる医院を紹介している。「CATALYST」という名のクリニックらしい。
レイアウトを毎週変えるのが、この店の特長の一つ。特に注力しているカテゴリーについては「ワンウィーク売り場」を設ける。視察の日は「ベビーケア」と「女性ケア」でエンドコーナーを作っていた。通路の左右と客導線を効果的に使う最先端のマネジメント手法「アイルマネジメント」も導入、P&Gが両側を棚割りしている通路もあった。また、独自陳列の例としては、建物外側の壁面に商品を積むなど序の口。ガーデニング用の土の袋などは、駐車場の真ん中にデーンと置いてあり値札がついている。まるで放置してあるみたいだが、これも一種のレイアウトなのだ。
スーパーターゲット(ミネアポリス市・チャスカ)
◆業態転換で業績伸長
ターゲットは1962年、ミネソタ州ミネアポリス市に百貨店チェーン「デイトン」のディスカウントストアとして設立された社名をターゲットコーポレーションに変更し、2004年にはルーツの百貨店部門を売却、ディスカウント専業となっている。全米47州に1351店舗を展開、2004年度の売り上げは468億ドルに上る。
従来型のターゲットは、いわゆるディスカウント業態だが、最近ではアップスケール型のターゲットグレートランドへの業態転換を進めることで業績を伸ばしてきた。その一方で、長期にわたりスーパーセンターのテストを行なってきており、今日ではスーパーターゲットとして食品併設型の店舗開発も行なっている。
店舗戦略はウォルマートと異なる。ファッション性に優れた高品質商品を低価格で販売するという商品政策により、ミドルアッパーの客層を狙っている。有名デザイナーを使ったオリジナルブランドを展開するなど、他に類を見ない独自の商品開発により、若年層からは「タージェ」というフランス語の呼び名で親しまれている。
◆センスの良さで高級感
一行が視察したのは、7月にできたばかりの新しいスーパーセンターで、広さはなんと4000坪。32列ものレジは壮観で、店内にはまさに「ありとあらゆる商品がある」と言っても決して言いすぎではない。
日用品・化粧品、食品はもとより、メガネ、書籍、調理器具、自転車、アウトドア用品、家電などが、余裕を持って陳列されている。服の売り場だけで大型衣料品店かと思うほどの品数とスペースで、マイケル・グローヴやモッシーノ、スタークスといった有名デザイナーの商品も扱っている。フロアの中央あたりには大きなファーマシーが鎮座しており、他にも写真現像店やベーカリー、ミート&シーフードの店も軒を連ねる。スターバックスコーヒーやピザハットといった日本でもおなじみの店も出店していた。
全体的に、赤と白を基調としたシンプルでセンスのいいデザインで統一されており、それが高級感を醸し出している。安売りを前面に出していないところが、ミドルアッパー志向なのだろうが、それでも「welcome to low prices」の姿勢は忘れていない。あちらこちらに小さく「スペシャルパーチェス」(特別価格、お買い得)という文字が見える。
◆NBもPBも「P&G」
最も驚いたのがPB戦略だ。P&Gの「ハーバルエッセンス」と並べて、ターゲットのロゴの入った「リプレイシングハーバル」というパッケージのそっくりなシャンプーを陳列。価格は3ドル49セントと1ドル49セントの差。さらに「リプレイシングハーバル」にはなんと「Compare to Herbal Essence」などと挑戦的なことが書いてある。そしてよく見ると、製造はどちらもP&Gなのである。「パンテーンプロV」でも同じように、そっくりパッケージの「プロビタミンシャンプー」はNBより3ドル安い3ドル30セントで売っていた。
消費者に選択の幅を与えようとする小売店と、NBとPBのどちらも取り込もうとするメーカーとの思惑が一致した奇抜な手法。よく見るとそこは棚一面にP&G製品が並んでおり、メーカーと小売店の強力な“協働”関係を感じさせられたが、驚く一方で「ブランド価値」とは果たして何なのだろうかという基本的な疑問を持たざるを得なかった |
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