ウォルマートディスカウントストア(ニュージャージー州)
◆ナンバーワンでも企業努力
国内に2700店舗を展開し、昨年は売上高で13%、利益で27%と成長を続けている世界ナンバーワン小売業・ウォルマート。その原点となるディスカウントストア形態の店舗を訪問した。同社はこういったディスカウントストアに加え、食品売り場を併設したスーパーセンターという形態も展開している。5年前にスーパーセンターを出店した時には“食品カテゴリーに参入した”と騒がれたものだが、今では食品スーパーとしてもトップになっている。
同社は86年、発注して24時間以内に発送するという「クイックレスポンスシステム」を発案。87年にはP&Gとコラボレーションを組み、導入している。これを実現するために、地域に流通センターを作って体制を整えてから一気に店舗を作っている。
ナンバーワンとなった現在も企業努力は怠らない。商品の大半は本部で価格決定し、この商品については基本的には変えることができない。ただし、現場マネージャーに「価格を下げる権限」だけは与えられている。出店当初、他店との価格差の平均は10%程度だったが、いまでは平均で30%になっているという。
◆一見すると普通のスーパー
ただ、実際に店内を回ってみたところ、日本の郊外型スーパーと比較しても特段の違いは見いだせない。広いフロアと高い天井が印象的で、客は全員といっていいほどカートで買い物。商品が崩れていてもそのままという棚が多いのは、アメリカというお国柄だろうか。
工夫が感じられたのはレジ前だ。レジ8つなら8列分のミニ売り場が、レジ待ちの列をはさむように設置。それぞれの棚に、同じ雑誌、菓子類が売っていて、並びながらついで買いがしたくなるようになっている。例えば「スニッカーズ」は、正規の売り場に加え、レジ前にも8カ所売り場があるというわけである。
細かい工夫は見られるものの、ウォルマートの特長はやはり価格戦略と効率なのだろう。最近は、他社がウォルマートを研究することで差別化を図り成功することを「ウォルマート効果」と呼ぶ。
デュアンリード(ニューヨーク州・マンハッタン)
◆マンハッタン中心のドラッグストア
ニューヨークに本拠を置き、ニューヨーク州とニュージャージー州に集中的に出店するドミナント戦略を採っている都市型ドラッグストア。マンハッタンを中心に約270店を展開し、2003年度の売り上げは13億8000万ドルで、対前年比8・6%増の成長率を示している。立地のよさもあるが、他のどのドラッグストアチェーンよりも1゚あたりの売り上げ単価が高いのが特長だ。
同社の店舗サイズは、約45坪から約400坪と実に多様である。視察した53丁目8番街の店は、角地というロケーションで、縦と横の比率が5対1程度の縦長の店。入り口は端と端の2カ所で、奥の入口のそばにある調剤薬局で処方せん薬を取り扱っている。しかし売り上げの60%以上はOTC、ヘルス&ビューティケア、フード、飲料水、写真現像などで構成されており、日本型ドラッグストアやスーパーに近い。商品はほとんどメーカーから直接仕入れていて、2つある倉庫から各店に配送するシステムを採っている。
歩道から見ると、外見はガラス張りで、ショーケースに商品をきれいにディスプレイしているのが印象的。さすがに店舗数が多いだけあって、記者がマンハッタンの町中を歩き回った時に見つけた5つのドラッグストアは、すべてデュアンリードであった。
ホールフーズマーケット(ニューヨーク州・マンハッタン)
◆高級自然食品で差別化
ナチュラル志向を受けて発展しているのが、有機野菜や果物、自然食品のスーパーである。一般のスーパーの年間売上増が2〜3%にとどまっているのに対し、自然食スーパーは20%増を記録している。中でも注目を集めているのが、テキサス州オースティンに、従業員わずか19人でスタートしたホールフーズマーケット。全米26州とカナダに150店舗を展開する自然食品中心のスーパーマーケットで、こだわりのナチュラル系日用品も販売している。場所柄、惣菜などを強化することで、自然派意識の高いビジネスカスタマーを獲得しながら賑わいを見せている。一行は、タイムワーナービルの地下に構えるマンハッタンの最新店舗を視察した。
◆センスのいいディスプレイ
同社は、1992年に全米第3位のブレッド&サーカス、1993年にロスアンゼルスのミセス・グッチス、1996年にはメリーランド州のフレッシュフィールズマーケッツと、次々に自然食スーパーを買収。一挙に店舗数を拡大させ、目下、同カテゴリーで世界一となっている。自然食品は、食品全体の2〜3%というニッチマーケットながら、消費者を地道に教育しながら成長。平均店舗規模は約1000坪で、2003年度売上高は31億ドルと対前年比17%増の成長率だった。
店内は、差別化商品である高品質な食材で揃えられている。オーガニック、無添加、新鮮さなどを最大の特長とし、ディスプレイにも工夫が凝らされている。3色の芋などを、あたかも3色の滝のように陳列する手法はこれまでも見たことがあるが、アスパラガスを束ねて水を張ったトレイに規則正しく立て、水栽培で成育中のように見せたり、ニンジンなどのように長い野菜を、束ねてからキャンプファイヤーの薪のように積んだり、センスのいいガーデニングを鑑賞しているような気分になる。 |
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