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◆週間売上100万ドルの繁盛店
1916年にジョン・ウェグマン氏によって創立。現在はデュー・ウェグマン氏がCEO及び会長を務めるプライベートカンパニーである。ニューヨーク、ペンシルバニア、及びニュージャージーの各州に、アッパーミドル向けに68店舗を展開。1992年よりカテゴリーマネジメントを導入し、完璧な店づくりを目指している。PB、レストラン並みのインストアカフェ、ワールドクラスのシェフ、また料理教室などのコンセプトを導入したクリエイティブマーチャンダイジングのリーダーとして知られる。また健康自然食品及びその関連品を置いているネイチャーズマーケットプレイスセクションや、ペットフードの自社PBなども展開している。
店舗のサイズは平均で約3300坪。ここは一店舗あたりの販売効率がよく、週単位の売り上げは100万ドルに上る。一般の小売店が週20〜25万ドルというから驚くべき数字だ。単純に換算すると年間売り上げは約60億円だが、村上氏の話では、日本で約100億円分程度の価値があるという。2003年の全社売上高は33億ドルで、対前年比9・3%増の成長率を達成。繁盛店はいかにして構築されたのか。
◆会社は小規模、店舗は大規模
さかのぼれば1980年代、同社は資金がなくて苦労した時代を経験している。そこでウェグマン氏は、小規模チェーンながらECR、CRMなどの導入に積極的に取り組み、ウォルマート、クローガー、ターゲットと並び、イニシアチブを取るまでになった。1991年よりP&GとCRP(連続自動補充プログラム)を開始。現在ではメーカー40社、全加工食品の50%がベンダーマネジメントCRPを実施し、大きな効果を上げている。カテゴリーマネジメントにも力を入れており、ECRの推進にABC(アクティビティ・ベースド・コスティング)を早くから適用した企業例として、業界でも話題に上ることが多い。
同社も進出当時には、認知度が1%にも満たなかった。そこで知名度アップのために、出店の1年前から現地採用の広告を出し「店はなくても名前は聞いたことがある」というティーザー広告的な手法を採った。当初は一年に1店舗未満、現在も一年に2〜3店舗というスローペースで出店。年100店ペースのウォルマートとは大きな違いだ。一店一店丹念にコストをかけているだけに、一度出店したら閉店できないという心構えで店作りをする。現に、今までオープンして閉鎖した店はないのが自慢である。
◆日本でも参考になる「高級店」
現在展開している店舗の特長は、従来型のレイアウトではないことが挙げられる。今回訪問した店は04年10月オープンの最新店舗。広さは約3700坪で、一般のスーパーの4倍近くという規模と、5万〜5万5000アイテムという品揃えが特長だ。その割に間延びした印象を受けず、居心地のよさが売り上げに結びついているようである。郊外型だが、近くの企業のビジネスマンが2階フードモールにランチを食べにくる。
店内は4つのゾーンに分かれている。1つはホームミールリプレイスメント(HMR)のコーナーで、ここでは調理済みの惣菜が簡単に手に入る。2つ目はプロデュースセクションで、売り場スペースの9%〜12%を占めている。3つ目はナチュラル、ヘルス&ビューティケア、サプリメントなど家庭日用品のコーナー、そして、4つ目が豪華なグロサリーである。このグロサリーコーナーは、一見すると「屋根がある町のマーケット」のようで、ウェグマン開店当時はかなり話題になったそうだ。
◆質を落とさず競争に勝つ
商品を宣伝する際、通常はチラシをつくるが、ウェグマンはほとんど作らない。商品はそれなりに安いのだが低価格を打ち出さず、母の日やクリスマスといった「記念日」にイメージチラシを作ることでプレステージを維持している。その代わり会員制を採っており、会員には競合品を安くするという戦略で顧客を囲い込むとともに、競合には勝ち利益も取るというメリハリの効いたマーチャンダイジングを展開している。
村上氏によると、同社は「業界の活性化を提供しているスーパーマーケットの代表格」だという。日本から関係者を連れてくると、口をそろえて必ず「日本では絶対できない」と言うが、村上氏は「見方によっては大変参考になり、できないと決めつけるのはおかしい」と苦言を呈する。
村上正樹氏略歴
テクニマーケティングインターナショナル(TMI)代表取締役。米国在住で米国企業に直接接触、日米双方のビジネスを熟知し、日米企業の戦略コンサルテーションを行う数少ないコンサルタント。
法政大学経済学部卒業後、時計メーカーを経て1971年に渡米。UCLAにて経済学を学び、ペパーダイン大学ビジネス学部を卒業。その後、ニューヨークの店舗デザイン会社・CDIグループ社で、マーケティングディレクターとして米国のスーパーマーケット、コンビニエンスストアの店舗開発やデザインを統括し、ショーズスーパーマーケット、A&P、ビッグワイスーパーマーケット、キングスーパーなどの新店開発を行う。
1982年、ロスアンゼルスにてTMI社設立。その後は、日本と米国を行き来し、情報産業、流通業、製造業のマーケティング、販売支援コンサルタントとして活躍する一方、この数年、流通業の活性化にも力を入れており、サニー、ダイエー、ヨークマート、ウェルパーク、シーズンセレクト、全日食チェーンなどの新店デザイン開発を行っている。
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