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日本香堂のアメリカにおける活動状況を紹介したい。グループ企業であるジェニコ社(シカゴ)と、米国日本香堂を統括する米国駐在員事務所の活動を追ってみた。
◆ジェニコ社
ジェニコ社は日本香堂が買収、傘下に収めたインセンスの専門企業。1923年スタートというから約80年の歴史を持つ。2年前に日本香堂が株式を買収、これに伴い、日本航空にも勤務した経験を持ち、海外経験の豊富なマイク敦賀氏を社長、CEOに迎えた。副社長にはダナ・モリソン氏が就任。両人の二人三脚でジェニコ社を運営している。敦賀社長は朝5時起床で、出勤も一番乗り。社員の退社時間は午後4時半と早いが、敦賀社長はそれ後に本社やその他とメールで連絡を取り合うなど6時頃までオフィスでがんばる。
ジェニコ社の工場はインセンス専門で、年商は10億円弱ながら、昨年の伸び率は10%と2ケタを達成、今年も5〜6%の伸長で推移している。決算期は4月で、利益率は20%と高い。正社員25名とパートタイマーが就業している。倉庫兼工場はワンフロア5000F×3層で延べ1万5000Fの面積を持ち、約2万ケースの保有能力を有している。ここにはインセンスづくりの名人がいて、1人で年間2億本も製造してしまうとか。勤務時間は7時半から4時まで。
敦賀社長は社員との触れ合いを特に大切にし、「ハグ」と称する身体で表現した挨拶で社員を励ましていた。
マイク敦賀社長のはなし
ダナ・モロソン副社長は2000年9月11日入社、販売と販売促進、財務それに生産全般を担当し、私と二人三脚でがんばってくれている。最近の傾向として頭が痛いのは、倒産企業が出ていることだ。
セールスマンは、コミッションベースで42名が勤務、全米を18のグループに分けて活動している。エリア制で4つのカテゴリー(グロサリーストア、ヘルス&ビューティ、ドラックストア、ニューエイジ)別に担当している。
現在のところヒットしているインセンスはガーニッシステック(庇護神)の「インディビジル(何人も心が一つ)」で、これはアメリカで発生したテロの影響に対して、何らかの手助けをしたいという意図から発売したもの。
ジェニコ社は1923年にスタート、当初は「ヒンズー・インセンス・マニファクチュアリング・カンパニー」と名乗っていたが、65年に「ジェニコ社」と改めた。
アメリカのホームフレグランス市場の規模は220億ドル(約3兆円)と推定され、インドやタイからの輸入品が多い。
香り付き線香を製造しているのはオルファクトリー社と当社のみだが、アメリカのフレグランスエッセンス市場は1億ドル(130億円)にものぼる。テロ発生までは2ケタ伸長していた市場だが、現在は1〜2%に低下してしまった。それでも当社は昨年に比べて5〜6%の伸長を続けており、もしテロがなかったら15%ほどの伸びが期待できた。当社のシェアは15%ほどと推定している。
国別の輸出先では日本がトップ、次いでカナダ、メキシコ、イギリス、チリの順で、トータルセールスの約20%が海外に輸出している。
コストを比較的低く抑えることができる理由は、昔からの秘伝にしたがって調合していること、それに中国から半製品で輸入していることによるもの。
◆米国日本香堂
辻経三郎米国駐在員事務所長は1985年に日本香堂のニューヨーク所長に就任。現在まで海外における日本香堂の企業活動に携わり、フランスのエステバン社やシカゴのジェニコ社の買収、さらにレストランビジネスではオーランドやサンパウロでの店舗オープンに尽力した。
共同取材には辻所長と田辺賢一マネジャーが対応、両人から米国日本香堂の近況について聞いた。
辻経三郎所長のはなし
テロ発生直後は法規制が厳しくなり、例えば1人しか乗っていない車ではマンハッタン地区に入れない。それは車を調べるのに1人乗りでは効率が悪いという理由によるもの。このため私は通勤時に8キロほど遠回りする羽目になっている。
米国駐在事務所の実際のオペレーションはロサンゼルスで行っており、いまは7名ほど勤務している。米国日本香堂は76年に設立、ロサンゼルスのトーラスとニューヨークでは3時間の時差があるため、ニューヨークで注文を受けると、その日に出荷できる利点もある。
メイン商材はお香で、その中では「毎日香モーニングスター」が売上高の約50%を占めており、67年から続いているヒット商品として知られている。仏具は西海岸が強い、96年頃から南米にも進出、これは先代(故・小仲正規氏)がブラジルに関心を持っていたこともあって、小仲正久会長が決断した。ブラジルでは香りに対する関心が高く、化粧品なども高い売上を示している。例えばエイボンの販売員の数は軍人の数より多いといわれているほど。
アメリカのインセンス市場のまだまだ未成熟と言えるが、しかし将来的には有望な市場だ。アメリカには目や耳を楽しませる文化は多いが、鼻についての文化がなかったためだ。つまり室内の香りを楽しむ風習がアメリカにはなかった。強いて言えば石鹸やローソクが出ているが、これらは香りの持続性がなく、その意味では線香にかなわない。
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